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2025 ノーベル賞
今年10月に発表されたノーベル賞において、生理学・医学賞に坂口志文さん、化学賞には北川進さんがそれぞれ選ばれ、2015年以来10年ぶりの日本人ダブル受賞となりました。このニュースについては、多くの人が注目したことでしょう。
では、今年のその他の受賞者についてはご存知でしょうか。
今回は、そのうちの一人、マチャドさんについてご紹介します。
今年のノーベル平和賞は、南米の国ベネズエラで活動してきた政治家、マリア・コリナ・マチャドさんに授けられました。マチャドさんは、独裁色を強める現政権(マドゥロ政権)に抵抗し、ベネズエラ国民が自分の力で未来を選べる社会を目指して、活動を続けてきたことが評価されました。
ベネズエラは、石油の産出国ですが、政治の腐敗や経済の失敗が重なり、人々が食べ物や薬を手に入れるのも難しい時期がありました。選挙も公平ではなく、現政権に反対する人たちは、時に弾圧や脅しを受けることもありました。
マチャドさんは、もともとエンジニアで、貧しい家庭の子どもを支援する財団や、自由公正な選挙をめざす団体を設立するなど、様々な活動をしてきました。
その後、2010年に記録的な票を得てベネズエラの国会議員となり、13年には自身が率いる政党を結党します。ところが、翌14年に、マドゥロ政権への抗議活動を率いたとして、議員資格をはく奪されてしまいました。
その後も民主主義実現のための活動を続けたマチャドさんは、2024年の大統領選挙で、現職大統領マドゥロ氏の対立候補として出馬が予想されていましたが、政権側から政治的弾圧を受け、事実上、出馬を阻止されました。それでも、マチャドさんは野党をひとつにまとめ、野党統一候補となった、エドムンド・ゴンサレス氏を支援し選挙を戦いました。
大統領選の結果、マドゥロ氏が3選を主張し政権を維持しています。しかし、野党側は、ゴンサレス氏が大差で勝利した証拠があると主張して集計結果をインターネット上に掲載し、不正選挙を訴えています。
活動を続けるマチャドさんは、今年1月には、政権側に一時的に拘束されたこともありました。ノーベル委員会のフリドネス委員長は、「過去1年、命の危険から隠れながら暮らすことを余儀なくされている」と言及し、マチャドさんは、今も身を隠しながらベネズエラ国内にとどまっているとみられています。
ノーベル賞の発表直前に、ノーベル委員会がマチャドさんに電話で連絡した動画が公表されています。その中で、マチャドさんは「これは運動なんです。これは一つの社会全体が達成したことなんです。私はただ一人の人間なので」と話し、ベネズエラ国民の活動が認められたことに感謝の言葉を伝えました。しかし、目標とする民主化を達成できていないことを強調し、現在も必死に取り組み、これを乗り越えられると確信していると語っています。
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