ゆとり教育の轍

 昨年11月14日の朝日新聞に、「『大学入試で歴史の細かい用語が出題され、高校の授業が暗記中心になっているのは問題』だとして、高校と大学の教員らで作る『高大連携歴史教育研究会』が用語の精選案を発表。知識を入試で問う用語を現在の3500語程度から約半分にすべきだとしているという」記事が出ていました。さらに「グローバル化」「共同体」などの現代的課題につながる語句は加える方針らしい。相変わらず非現実的な見解と方針だなと呆れてしまいました。


 というのも、「思考力を鍛える学習に重きを置き」「時間と内容を減らした」ゆとり教育の失敗から何も学んでいないと思われるからです。「高大連携歴史教育研究会」なる団体の会員をみると、全国の名のある大学・高校の教員の方々のようですが、教育や学習の本質を間違えて捉えているようにしか思えません。主要な教育現場である高校・大学の教員から提言されている点にも驚かされます。


 そもそも、中学生や高校生、一般教養を学ぶ大学生の多くがいわゆるティーンエイジャーである訳ですが、この年代ほど、知識・情報の吸収力を大きく持つ年代はなく、ここで学んだことはその後に大きく影響する時期であることは疑いのないところです。この人生でも稀で貴重な時期に、知識を身に付けないでどうするのでしょうか?もちろんそれらの知識を、将来すべてどこかで直接使うわけではありません。しかし、学問は進歩するものであり、現代社会と現代科学を理解するにはある程度の知識量はどうしても必要です。ところが、先述の記事ではさも「暗記中心が悪者」である書かれ方をしています。断言しますが、「暗記」は決して悪者ではありません。


 要は、「知識の実践力」というべき暗記した知識をどう生かすのかという点がないがしろにされ、そのための環境ができていないということが本質的な一番の問題です。現場の先生方は、もっともっと指導技術を磨き、「暗記だけさせる」現場を改善させることが、火急の対策なのです。それが、分かっていない。


 10年ほど続いた「ゆとり教育」は、結果的に学力の低下をもたらし国際的にも日本の教育的地位を落としました。「グローバル化」「共同体」など流行の美辞麗句だけを掲げ、あたかも時代にもっとも即したように見える今回の提言ですが、上手くいかなかったゆとり教育の行く末と同じ轍(わだち)を踏んでいるようにしか思えません。実は、高校での学習は、内容も豊富で突き詰めれば難しいものであり、生半可なことでは習得できないものです。綺麗ごとを言うのではなく、もっと泥臭く取り組むべきだと思うのですが。

小平教室 

高橋

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