学習塾ブログ / 浄水場を見学して

2018年08月22日

浄水場を見学して

「浄水場」の見学なんて、小学校の社会科見学以外で体験する人はそうそういないでしょう。その浄水場の見学に行ってきました。埼玉県狭山市の鵜ノ木浄水場です。狭山市にはこの鵜ノ木浄水場を入れて4つの浄水場がありますが、一日に取水する能力が11,200立方メートルもあり、他の3つの浄水場の取水能力を合計してもこの浄水場の1/3しかなく、市のメインの重要な浄水施設です。

水道水はこの浄水場で飲料可能な水になった後、3カ所の「配水場」に移動して市内に配水されます。鵜ノ木浄水場の水は稲荷山配水場(配水場はどの町でも標高の高いところに設置されます。そこから市内に重力の力で水道管の中を落下させる仕組みだからです。)にポンプで揚水して蓄えておきます。

こう説明すると、狭山市民は自前の施設で水をすべて賄っているように思う人がいるかもしれませんが、そうではないんですね。驚くべきことに、普段、狭山市が浄水場で自力で供給している水道水は利用している量の実に5%しかありません。残りの95%は埼玉県が供給する「県水」を活用しています。

県水はさいたま市の大久保浄水場から送られてきますが、この水源は利根川の水も活用されています。利根大堰(おおぜき)から取水して武蔵水路を通って荒川に落とした水です。なんだか小学校の授業みたいになってきましたね。だから狭山市民にとって利根川上流のダムの貯水量は生活に密着した大事な数字なんですね。

それなら、たった5%なんだから全部県から上水をもらったらいいじゃないかと思うかもしれませんね。しかし、それは違います。地震などの大災害時には県水がストップするかもしれない。そのためのリスク管理で自前の浄水場も必要なわけです。普段は5%ほどしか供給していませんが、能力的に市の上水の30パーセントほどをカバーすることが出来るとのことです。

この浄水場の水は入間川(荒川水系)から取水しています。取水管は入間川の川底から50㎝の位置に設置されています。50㎝だからここで少し濾過されますね。この取水した原水の安全確認をしてからポンプで「凝集沈殿池」に送ります。ここでポリ塩化アルミニウム(汚れやゴミを沈める)と次亜塩素酸ナトリウム(消毒)を入れ表面のきれいな水を「濾過池(ろかち)」に導き、この濾過池で砂の層を通して濾過します。最後に安全確認をして配水場に送ります。

取水した入間川の水を見ることが出来ましたが、少し川底の濾過の影響もあるのか思いの外きれいでした。その水で金魚を飼っている水槽があり、金魚の状態も水質の異常点検になっています。

日本人は飲み水は水道栓をひねれば出てくるものと思っていますが、上水のために日夜働く人たちの努力とポンプを動かす「電力」の供給がストップすれば、飲み水にも困る現実をもっと自覚する必要がありますね。

ベストの広場8月号

塾長コラムより