学習塾ブログ / 地球は暑くなっているの寒くなっているの?

2016年06月22日

地球は暑くなっているの寒くなっているの?

「地球温暖化」について最近あまり騒がなくなったと感じるのは気のせいだろうか。それどころか太陽活動が低下してマウンダー極小期(1645~1715年の太陽黒点の大減少期で世界的な寒冷期)のような寒冷期が訪れるという学説も出始めました。

私は温暖化論がマックスの時も、二酸化炭素悪玉説は必ずしも科学的根拠が明確でないこと。そもそも最大の温暖化ガスは水蒸気であり、これがなくなれば地球は氷点下になってしまいます。基本的に地球の気温は太陽活動によって決まる。また、人類の歴史は寒冷な気候との戦いであったから、急激な温暖化による気候擾乱はリスクであるが、むしろ温暖化は歓迎すべきことであるという少数派の意見でした。

歴史的にみると14世紀から19世紀半ばは世界的に平均気温が低かったことが分かっています。鎌倉時代終わりごろから幕末ごろまでです。そういえば、江戸時代には天候不順から飢饉がおこりました。個別的な原因をみれば、天明の大飢饉の場合はアイスランドのラキ山と浅間山の噴火が大きな原因と解釈されていますが、大状況的には太陽活動が不活発な比較的寒冷な時期であったわけです。それが19世紀後半から気温が徐々に上昇してくる。

これを地質時代という大きな時間スケールでみると、実は地球の気温はかなりの振幅で変動してきていることがわかります。恐竜が活躍していた中生代はかなりの温暖期でした。一方、氷河時代どころか最近では地球全体が凍結していた時期があったのではという学説も出ています。新生代だけでなく、先カンブリア期以前からも氷河期的低温期が存在したことが分かっています。

地球全球凍結論者によれば、世界各地での活発な火山活動による温暖化ガスとしての二酸化炭素の増大が凍結を脱出する温暖化の突破口になったという、二酸化炭素ありがとうというすじ書きです。

南極の氷床コアの分析による数十万年単位の地球気温の研究もかなり進んでいます。また、堆積物コアの分析から数千万年単位の気温変化の推測も可能になっています。そうした研究からここ数万年単位の気温変化をみると1万2千年くらい前から寒冷期を脱して温暖化が進行します。

縄文海進という歴史用語があります。世界的には後氷期海進ともいいますが、縄文時代の海面が現在よりも2,3メートル高かった現象をいいます。平均気温が現代よりも高く高緯度の氷床が大量に溶けた結果であると説明されています。いまから8千年~6千年くらい前にかなりの温暖期があったことが分かります。

確かに地球大気の温度にとって、二酸化炭素濃度も大切な要因ですが、太陽活動や銀河系内を猛烈なスピードで運動している太陽系近傍の宇宙空間の状態も重大な決定要因なのです。

こうして何億年の昔から、地球大気は暑くなったり寒くなったりしています。寒冷化する気候が人類に本格的な農業生産を促す背景にあったのではという推理もありますが、しかし、人類にとっては寒冷化が主要な危険であったことは今も昔も変わりません。

【塾長コラム】