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2026年09月01日

世界を動かす「石油」

ペルシャ湾を中心とした中東情勢が毎日のようにニュースで取り上げられています。
中東地域は世界有数の石油産出地であり、この地域で紛争や緊張が高まると、世界の経済
にも大きな影響が生じます。日本は石油のほとんどを海外から輸入しているため、中東情勢
の不安定化が強く懸念されています。
私たちが毎日使う電気やガソリン、プラスチック製品などには石油が深く関わっています。
今回は、「石油」をテーマに歴史や科学の視点から見ていきましょう。

1.エネルギー源の移り変わり
人類は昔からさまざまなエネルギーを利用して生活してきました。
最初に使われたのは薪(まき)や木炭です。火を起こして料理をしたり、暖を取ったり、金属を
加工したりするために、数千年にわたり木材資源が人々の暮らしを支えていました。
しかし、木炭の大量消費により森林が減少し、木材の不足が深刻化していきました。そのため、
12~13世紀頃になると、イギリスやドイツでは石炭採掘に力を入れるようになりました。
その後、18世紀後半に産業革命が起こると、石炭は蒸気機関車や工場の動力として活躍し、
エネルギーの主役になります。

2.エネルギー革命
20世紀に入ると、エネルギーの主役は石炭から石油へと急速に移行しました。この主役交代
の出来事をエネルギー革命と呼びます。
石油は、エネルギー効率が高く、液体であるため輸送・保管も容易な上、燃料としてだけでな
く、プラスチックや化学繊維といった工業製品の原材料にもなるという用途の広さから、石炭
より優位に立ちました。
そして、自動車の普及や航空機の発達、さらに火力発電の燃料として石油が使われるように
なり、20世紀半ば以降、石油は世界経済の中心的存在となりました。

日本では、1950 年代後半から 1960 年代にかけて、エネルギー革命が起こり、経済が大き
く発展しました。一方で、日本は石油のほとんどを海外に頼るようになりました。
1973 年には中東情勢の影響で「オイルショック」が発生し、石油価格が急上昇しました。ガソ
リンや生活用品が不足し、多くの人が買いだめに走ったことは、歴史に残る大きな出来事で
す。この経験から、日本では省エネルギー技術の開発やエネルギー源の多様化が進められる
ようになりました。

3.石油の種類
石油は採掘したそのままの状態では使うことはできません。石油精製所で加熱・分離すること
で、沸点の違いによってさまざまな製品に生まれ変わります。
代表的なものには次のような種類があります。

LPガス…家庭用のプロパンガス
ガソリン…自動車やオートバイの燃料
軽油…トラックやバスの燃料
灯油…家庭用燃料や航空機燃料
重油…船舶燃料や火力発電所・工場のボイラー燃料
ナフサ…プラスチックや合成繊維、洗剤などの原料
アスファルト…道路の舗装材や防水シート

このように、石油は燃料としてだけでなく、プラスチック製品や洋服(ポリエステルなど)といっ
た、私たちの身の回りの多くの製品の原料にもなっています。

4.石油のもとは何?
石油がどのようにしてできたのかということについては、いまだに謎が多く、はっきりとはわか
っていません。生物起源説と非生物起源説がありますが、生物起源説、なかでも「ケロジェン
説」が最有力視されています。

〈ケロジェン説〉
・太古の生物の死骸が堆積
太古の海や湖にいたプランクトンや微小な生物の死骸が、土砂とともに水底に堆積。
・地圧と地熱による変質
死骸の上に泥や砂が覆いかぶさり、空気が遮断された状態で、地熱と地圧を長期間受けるこ
とで、「ケロジェン」という物質に変化。
・熟成して石油(原油)へ
地下の温度が 100℃前後になると、ケロジェンが熱分解されて液体状の「原油」や「天然ガス」
に変化。
・油田の形成
生成された原油が地層のすき間を通って上昇し、液体を通しにくい岩盤に遮られることで地
下に溜まり、「油田」となる。

石油は何億年もの時間をかけて自然がつくり出した貴重な資源です。しかし、一度使えば短
期間では元に戻らないため、限りのある資源です。また、地球温暖化という問題もあります。
省エネルギーや再生可能エネルギーの利用など、エネルギーをいかに上手に活用していくか
が、ますます重要な課題となっています。

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