ホーキング博士逝く-宇宙の歴史

 先日宇宙論とブラックホール理論で世界をリードしてきたホーキング博士が亡くなりました。人類は大変惜しい頭脳を失いました。ALSという難病で長い間苦労してきましたが、その中でも数々の世界的業績をあげて物理学の発展に寄与しました。


 今回は、ホーキング博士にちなみ宇宙の歴史に関して少しふれたいと思います。宇宙開闢のビッグバンが起こって少したって、ようやく水素やヘリウムが電子を捕まえ原子として産まれてきます。この水素やヘリウムが分布密度のゆらぎのため重力によって集まり星雲が出来、その中で初期の恒星が発生します。恒星の内核では水素と水素が核融合反応を起こします。これが太陽を含む恒星のエネルギーの大元です。中心核の温度が上昇すると水素のつぎはヘリウムが融合を起こし炭素が出来、つぎには酸素という具合に反応が進みます。太陽よりかなり重い恒星の中では、この後も長い年月の内に反応が進み最終的に中心核に鉄が落下してきて反応が一段落します。鉄は凄く安定した原子なのです。


 そしてこの後、超新星爆発を起こし、それにより金や鉛などの鉄より重い元素がつくられます。原始太陽系の時代の地球には、すでに酸素、炭素は当然として鉄も金も鉛もウランもあったでしょうから、原始太陽系が出来る以前に宇宙では数え切れないほどの超新星爆発を経験しており、我々生物の肉体を含む、現在我々が地球上で活用している物質の原料は出そろっていたわけです。


 例えば、人間の血液中の赤血球にはヘモグロビンという鉄元素を含む物質があります。これがなくては人間は生きられませんが、これも太陽系が生まれる遙か昔にどこかの恒星の中で出来たものです。だから、われわれは星々の子供、スターチャイルドなんです。


 宇宙の長い歴史の中で核融合や超新星爆発によってつくられた元素を材料にして日々生きています。超新星爆発というのは、例えば半径5光年以内で起これば、周辺の生物は完璧に絶滅すると言われています。それほどすさまじいガンマー線バーストが周辺に降り注ぎます。


 原子力発電は不安定な元素、ウラン235が中性子を吸収して核分裂し大きなエネルギーを出し、その際自らも中性子を出すことを利用しています。普通、自然界にはウラン238がほとんどです。ウラン235は現在の地球ではウランの中の0.7%ほどしかありません。だから核燃料をつくるときにはこのウラン235を濃縮します。


 ところで、地球の内部が6千度というすごく高温であることはご存じでしたか。それはおもに、ウランやトリウムなどの放射性元素の崩壊熱が長い年月の間蓄積していることと原始地球が出来るときの数え切れないほどの微惑星の落下による位置エネルギーの熱エネルギー転換からくる熱が未だに冷め切っていないこと(実はこれがいちばん大きい熱エネルギー)であることが分かっています。


 原子炉は人間の発明であると考えられていましたが、実は今から62年前。アーカンソー大学助教授だった黒田和夫先生が地球物理学的洞察により、地球上では大昔、天然原子炉が存在した可能性があるという予想を発表しました。世界中だれも相手にしませんでした。しかし、それから16年後。フランス政府が、アフリカのガボンでウラン235の存在比や他の証拠から確かにここに天然原子炉が20億年ほど前に存在したと発表し世界中が仰天しました。黒田先生が正しかったのです。

ベストの広場5月号

塾長エッセイより

 

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