知的感動

梶谷隆章さんが「ニュートリノ振動の発見」でニュートリノに質量があることを実証した功績で2015年のノ-ベル物理学賞を受賞したことは、みなさんもよくご存じかと思います。


「ニュートリノって何」でしょうが。これは物質を形成する素粒子の一種で、理論上、質量を持たないものと仮定されていた物質です。物理の素人(しろうと)には「そもそも質量がないのに物質として存在すること」が理解に苦しみますが、とにかくそういう素粒子で、当然、他の物質とほとんど反応しませんから地球なども簡単に貫通していく。私たちの人体も1秒間に1兆個ほどのニュ-トリノが通過していくらしい。そうすると1日に8京6000兆個以上のニュートリノが身体を貫いていることになります。何だかよく分からないが凄い。


ここでは、梶谷教授の先生の小柴昌俊教授のお話を少し。実は小柴先生も同じノーベル物理学賞を自然由来のニュートリノの発見で2002年に受賞しています。


1987年2月23日、午前7時35分35秒。日本のカミオカンデ(岐阜県神岡鉱山地下1キロにある巨大な観測装置)で11個のニュ-トリノが観測されました。同日、地球から16万光年ほどの距離にある大マゼラン星雲にある恒星が超新星爆発を起こし、急に激しく光り出したことが、同日10時半ころから光学望遠鏡の観測で分かり、その後のデータ解析で判明しました。(このあたりの詳細を知りたい人は「国立科学博物館」にHPなどで確認しておいてください。)


超新星爆発(質量が大きい恒星が恒星進化の最終段階で起こす大爆発)が光や電波などでなく観測そのものが凄く難しいニュ-トリノによって観測されたことに世界中が驚愕しました。


本来、カミオカンデは宇宙全体に安定して存在しているであろう陽子の崩壊を観測するために作製した巨大実験装置でしたが、偶然、超新星爆発という天体観測をしたのみならず、重力崩壊を起こした超新星深部の観測を行ったからです。


ただ、念のために言っておきますと。16万光年というのは「距離」の単位です。光が16万年かかって進む距離ですよ。だからこの実際の超新星爆発は、1987年2月23日の16万年前に起こっています。その光が地球に到達したのが16万年後の1987年ということです。


いずれにせよ、ここからニュートリノ天文学がスタートしました。世界中がこの発見に驚き、感動し、喜びました。これが日本の研究者によって成し遂げられたことは日本人としてとても誇らしいですね。そして、知的感動を覚えませんか。


小柴先生は「東大物理学科をビリで卒業した」と自称しており、東大時代の成績も公表しています。そこには16教科中、「優」(大学の成績は優、良、可)が2個しかなく、可が4つあり、そのうちのひとつは原子物理学であったらしいです。なにか勇気づけられるというか面白いですね。ノーベル物理学賞を原子物理の分野で受賞した人物が原子物理が可ですから。

ベストの広場3月号

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