学習塾ブログ / 用紙サイズのひみつ

2017年11月02日

用紙サイズのひみつ

塾や学校で行われるテストや配付されるプリント、日頃よく目にする雑誌や本、新聞など、私たちに身近で欠かせない存在である「紙」。今回は、普段なんとなく使っていますが、実はその大きさ(サイズ)に少し面白い数字が隠されていることを紹介しましょう。

まず私たちが日常生活で使用する紙のサイズには、「A判」と「B判」あります。一般の家庭では、ファックスなどの用紙がA判の「A4」、学校のワークなどはB判の「B5」(ページを広げればB4)のものが多いでしょうか。まずこれらは、どちらも、どこまで半分にしても同じ形、相似形の長方形です(これを『ルート長方形』という)。A判は、19世紀ドイツの物理学者オズワルトによって提唱された規格で、面積が1㎡のルート長方形を「A0」としました。図1を見てください。「Aいくつ」という数字には、このような関係があります。そして図2。どこまで半分にしても相似なので、その長辺と短辺の長さの比率は意外と簡単に出せますね(長辺:短辺=√2:1)。ちなみにこの比率は「白銀比【はくぎんひ】」と呼ばれ、日本では古来、美しい比の形として好まれてきました。

一方、日本で用いられている「B判」は、正しくは「JisB判」といい、実は日本独自の寸法です。江戸時代の公用紙であった「美濃紙【みのがみ】」の寸法を基に作られ、A0の面積が1㎡であるのに対し、B0は1.5㎡。つまり面積比は2:3。相似な図形の相似比と面積比の関係から、A判とB判の相似比は√2:√3であることが分かります。ところで三平方の定理を用いると、A判のルート長方形の対角線の長さは、同じ比で表すと√3です。つまりちょうどB判長方形の長辺の長さと同じであることが分かります(図3)。

「だからどうした」と言われれば元も子もないのですが、身近なところに隠れている数字や数学は他にもたくさんあります。興味を持って調べてみると、意外な面白さがあったりするものです。とくに中学3年で習う平方根・相似・三平方の定理は、あちらこちらで使われています。
※株式会社トヨシコーHPを参考にしました

小平教室 高橋