学習塾ブログ / 読書の秋

2014年09月17日

読書の秋

暑い夏も終わり、秋の涼しい風が心地良い季節となりました。みなさんは、勉強や部活など充実した毎日を過ごしていますか。

秋といえば「読書の秋」が思い浮かぶと思います。秋の涼しい夜は本を読むのに最適だ、と昔の人も思っていたことでしょう。夜に窓を開けて快い風に吹かれていると、ここはじっくり本でも読んでみようか、という気にさせられますね。

私は小学生の頃は全然読書をせず漫画ばかり読んでいましたが、中学生になると国語の先生の影響で少しずつ本を手にとるようになりました。その先生は詩を書くような、どことなく神々しい雰囲気の人で、この本を読んでみなさい、とすすめられると、なんとなく読んでみる気にさせる不思議な力をもっていました。すすめられる本はたいてい、少し難しい小説や哲学に関するものだったので、読書経験のほとんどない私がそういった本を読むのは苦行に近いものでした。でも我慢してページを行ったり来たりしながらある1冊の本を読み切ったとき、その苦行からの解放感とともに、なんだか前より少しだけ頭が良くなった感じがしたのです。よし、また少し難しい本に挑戦してみよう、と背伸びをはじめました。

まァ今となっては頭が良くなったというのは気のせいだったのだと思いますが、そんなふうに私は読書をするようになりました。しかも、自分のレベルよりも“ちょっと上”の本を読んでみる、という本の選び方でした。読んでいてよくわからない箇所に出会うと、手を止めて考え込んだり、音楽をかけて一息ついてみたり、ときには妄想にふけったり・・・。

ここまでの記述を読み返してみると、キザな文学青年だったような話になっていますが、全然そんなことはなかったです。みなさんと変わらないごく普通の学生生活を過ごしていました。(このように自分の過去を述べるのは少々恥ずかしいですね。)

でもその時の経験のおかげなのか、文章を読むことにあまり抵抗がなくなりました。また、使える言葉の数も読書を始める前よりも格段に増えました。学生生活が終わり、就職して仕事をする今、読書によって得た言葉や知識が役に立つことが少なくありません。相手の話を的確に理解し、こちらの言いたいことを正確に伝えるには、言葉の意味や使い方、話題の背景となっている知識が身に付いている必要がありますね。読書はそういった技能を育てる格好の訓練になると思います。

みなさんも“ちょっと上”の本を手にとってみてください。それまで自分が生きてきた世界が以前と違ったものに見えるようになるかもしれませんね。

小川教室より